dining.fm

ポッドキャストの収録・編集環境

これまで約1年間収録して、ポッドキャストの収録や編集の方法が固まってきたので、2024年1月時点での環境をまとめておきます。

最初にまとめ

以下、詳細です。

マイク

Sennheiser e835 を利用しています。

当初は、界隈で有名な Shure MV7 を考えましたが、夫婦で面と向かって収録するためには2本購入することになり、 予算的には1本1万前後くらいにできればとどめたいのでヤメ。

そこで、界隈でも有名な Shure SM58Sennheiser e835 を比較検討したところ、 音の抜けが良く解像度が高い感じや、実売価格で1万円を切る価格帯が決め手となり e835 を選びました。 後述しますが、解像度は高い一方ででラジオっぽい温かい音質ではないので、ここはプラグインで調整を行うことになります。

ちなみに、予算をもう少し上げられれば、上位機種の e945は e835 以上に解像度が高く抜けが良い音が収録できるので、ベターだと思います。

マイクケーブル

MOGAMIの2534(1m) を利用しています。

ケーブルは超高級ブランドでない限り、ほとんど違いを聞き分けられないと考えています。 自分は特に拘りもなかったので、Amazonで評価が高かったこのケーブルを選んでいます。

マイクスタンド

KC MDS-1500 を利用しています。

本当はアーム式のものが気になっていたのですが、リビングでの利用を考えるとサイズ的にNGなので、小さめで重量感もそれなりにあるものを条件に探しました。 最低限マイクを安定して固定することは十分に実現でき、値段的にも悪くなかったかなと思っています。

ポップガード

利用を検討しつつも、購入に至っていません。ポップノイズは気になったことがないのですが、皆さんはそんなに気になるものなのでしょうか。。?

オーディオインターフェース

Universal Audioの Volt2 を利用しています。

上記の通り、ローカルで2chの収録を行いたかったので、2chのオーディオインターフェースを探していました。 また、音質はそれなりに拘ろうと思っていたのですが、1万円前後のものと2万円前後のものはそれなりに音質に差がありそうなことがわかってきました。 そこで、予算を2万円強に設定した上で、MOTU M2 や、Native Instruments KOMPLETE AUDIO 2 あたりも候補にしつつ、 見た目のデザインや付属のラグイン、USB Type-C 対応などの観点で Volt2 に決めました。

なお、Universal Audio製品は、Volt276 も検討していましたが、Volt2との差分でもあるビンテージマイクプリアンプは ソフトウェアプラグインでも代用できるだろうと判断して、選択対象から外しました。ただ、実際は276の方が見た目的には好みだったので結構悩んでたのは本音です。

DAW

Logic Pro を利用しています。

ただし、Logicじゃないと実現できない機能はほぼ無く、 Garage Band でも十分だと思います。 実際、自分もしばらくは Garage Band を利用していましたが、唯一の不満点は複数のプロジェクトを同時に開けないことでした。 「前回の収録の設定ってどうだっけ?」と思ったときに、前回のプロジェクトを開くために今開いているプロジェクトを一度閉じてから確認し、 設定を記憶してから元々開いていたプロジェクトを開き直す、、というワークフローがかなり面倒だったのはかなり苦痛でした。 また、音楽制作にも興味があったのでちゃんとした環境で挑戦してみたいと思い、コストはかなりかかりましたが思い切ってLogicを導入しました。

使い勝手としては、Garage Bandとほぼ同じなのと、Apple純正ソフトということもあり、多機能な割には使いやすいかなと感じています。 基本的には、BGMを差し込むタイミングの調整や、無音部分や「えー」「あー」など不要な音やトークのカットを行った上で、後述のプラグインを利用して音質の調整を行っています。

プラグイン

ノイズゲートやイコライザーなどいろいろ試しましたが、紆余曲折を経て、現在は以下のプラグインを利用しています。

Clarity VXは、録音で発生するノイズや、生活ノイズを除去するために利用しています。 収録中は、エアコンを停止するなど最低限の対策はしていますが、やはり冷蔵庫の音など何らかのノイズが入ることは避けられないので、ツマミを75%くらいに設定しています。 Wavesは定期的にセールを行っているので、自分も安くなっているときに購入しました。

Logic Pro Compressorでは、全体的に音圧を上げるために利用しています。 Classic VCAを選択した上で、基本的にほぼデフォルトの設定としています。

Teretronix LA-2A Collection は、Volt2のオーディオインターフェースを購入したときに付属でついてきたプラグインですが、 これを通すだけで全体的に温かみのある音質になるので重宝しています。 特に、前述の通りe835の音は良くも悪くも解像度が高く、硬い音質の印象があったのですが、クリアでアナログみがある音にできているんじゃないかなと思っています。 なお、無印/Gray/Silverの中では Silver を利用していますが、自分はそこまで差を感じられることはありませんでした。

Logic Pro Gain は、最終的な出力をモノラルにするために利用しています。 各所で言及されていますが、ポッドキャストでは、ステレオにする意味はあまり無く、モノラルの方が聞きやすいので最終出力の段階で利用しています。

Logic Pro Mastering Assistantは、Logic Pro 10.8 から搭載された新しい機能ですが、EQやダイナミクスの最終調整をいい感じに自動で行ってくれるので、かなり重宝しています。 これを導入してから、チャンネル毎のコンプレッサーの調整に時間をかけることは無駄になったのでやめました。

その他

細かいですが、Logic Pro の全体設定に手を入れて、I/Oバッファサイズを128→256としています。 背景としては、macOS を Sonoma にアップデートするくらいのタイミングから、収録中にプチプチとノイズが入る問題が発生していました。 入力のゲインを調整するなどしてノイズを減らすように頑張っていたのですが、最終的にはこのバッファサイズを変更することで、ほぼノイズは発生しなくなったと感じています。

まとめ

以上、現時点での環境をまとめてみましたが、感覚的にはマイクの質と収録環境が最も重要だと思います。 自分は「夫婦による対面での自宅収録」と、収録環境を安定させやすいので、 音質は実質DAWのプラグイン調整だけの問題にできることで、いろいろ調整がしやすい状態を実現できているかなと思います。

一方で、今後はリモート環境でゲストを呼んでみたり、自宅以外の環境での収録も挑戦してみたいとも思っているので、 そのときはまた新しい問題が発生することになりそうです。